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連載コラム⑫介護コンサルタント高山善文「安心な暮らしのために住み替えという選択」

様々な情報が溢れている今日、多様化する高齢者ホームの中から自分に合った住まいを見つけるために大切な情報収集。必要な情報を効率よく得るための方法とは。


専門家が活用する情報の集め方


 高齢者の住まいの情報収集は、介護専門家の重要な課題です。インターネット上の多岐にわたる情報の中から、必要な情報にたどり着くのは時に困難を伴います。今回は、専門家がよく活用するWEBサイトの中から、3つの代表的なサイトを紹介します。


必要なサービス探すとき


 まず、「介護サービス情報公表システム」 https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/ というサイトについて紹介します。全国の介護サービスから目的のサービスを検索する際に役立ちます。全国で約21万か所の介護サービス事業所の情報が掲載されています。この中で重要な情報として挙げられるのが、「第三者の評価機関(外部機関)からの評価の有無」です。この第三者評価は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)などの地域密着型サービスに義務付けられ、認知症介護サービスの内容を確認できる判断材料となります。


経営状況を確認したいとき


 次に、福祉・保健・医療に関連する情報を提供するサイト「WAM NET」https://www.wam.go.jp/ を紹介します。独立行政法人福祉医療機構によって運営されています。入所を検討している施設の運営主体が社会福祉法人の場合、財務状況を確認することができます。サイト内の「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」から、目的の法人を選び、資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表などの3つの主要な計算書類を閲覧することが可能です。社会福祉法人は法令に基づき毎年度の会計処理が義務付けられているため、この情報には信頼性があります。


サービスの詳細を知りたいとき


 最後に、サービス付き高齢者向け住宅の選択に役立つ「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」https://www.satsuki-jutaku.jp/ についてご紹介します。このサイトでは、施設の基本情報や住宅ごとの運営情報が確認できます。具体的には、利用者の年齢構成、男女比、要介護度の割合、介護職員の保有資格などを確認することができます。さらに、特定の医療処置に対する対応体制の可否も確認できます。

 高齢者の住まいに関する情報は多岐にわたりますが、上記のサイトで効率的に収集できます。これらは専門家だけでなく一般の方々にも役立つため、高齢者の住まいに関連する調査や判断に、ぜひご活用いただきたいと思います。


たかやま・よしふみ/1966年生まれ。

介護現場での豊富な経験を基に、介護事業者のコンサルティングを手掛ける。講演や執筆

活動に加え、介護支援専門員、東京都福祉サービス第三者評価者としても活動。ティー・オー・エス株式会社代表取締役。


【主な著書】『これ一冊でわかる!介護の現場と業界のしくみ』(ナツメ社)、『図解即戦力 介護ビジネス業界の仕組みと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)など。


一般の方向けに介護のしくみをわかり易く説明した『介護のしくみチャンネル』をYouTube にて配信している。

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