厚労省が外国人雇用対策に関する検討会の中間取りまとめを公表
厚労省は、我が国の労働市場における外国人雇用の対応策について具体的な方向性を議論することを目的として、「外国人雇用対策の在り方に関する検討会」(座長・山川隆一東京大学大学院法学政治学研究科教授)を開催してきたが、6月28日、中間取りまとめを公表した。
そのポイントは、1.我が国労働市場への外国人労働者の包摂の状況や国際的な労働移動を適切に把握し、根拠に基づいた外国人雇用対策を講じるべき、2. コロナ禍で起きている課題を解決するために、関係機関が得意とする分野を生かして、連携して対応していくべき、3. 日本と母国の文化ギャップの克服や、長期キャリアを前提とした就労環境を整備していくべき、などであるが、特に4. 外国人雇用対策は、我が国の雇用や労働市場の質を向上させるという積極的な視点をもって推進するべき、としているのは否定的な外国人雇用の意見もある中、高く評価できる。(後日、詳報)
時を同じくして、7月1日、米国務省が世界各国の人身売買に関する報告書を発表。我が国の外国人雇用の重要な位置を占める技能実習生制度について、「外国人労働者の搾取に悪用している」と問題視。政府の取り組みを「最低基準を満たしていない」と発表した。現在、技能実習生は、ベトナム、中国、フィリピン、インドネシアなど在留外国人の約13%、約37万人が、農業、漁業、建設、食品製造、機械、金属、介護分野、80職種144作業で実習を行ない、働きながら技能を修得するという貴重な人材となっている。そして平成29年11月の「技能実習法」の施行により、実習生の受け入れをする管理団体は許可制となり、実習先(実習実施者)は届け出をしなければならず、技能実習計画も認定制となった。
加えて、監督機関として新たに「外国人技能実習機構」が創設され、機構の改善命令などに従わなければ、管理団体の許可が取り消されることもあるなど、監督権限も大巾に強化されており、米国務省の報告書は必ずしも実情を反映したものとはなっていない。
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